子供の頃アリの巣をよく掘った。クロシジミの幼虫探しではない、クロシジミの存在すら知らなかった。 単純にアリを見たかっただけである。初夏のクロオオアリの巣には結婚飛行を控えた羽蟻がいっぱいいて、見ていて楽しかった。羽蟻は表面近くにいて、少し掘ればすぐ見つかった。今では稀なクロシジミもその頃は武蔵野に多くいたはずであるが、シジミの幼虫が出て来た記憶がない。昔も生息地は局地的だったのかも知れない。クロシジミを初めて見たのは山梨県だった、土が露出した荒れた疎林で、なんでこんな所にと思う様な場所だった、静岡で最初に見た場所も、砕石が敷いてある工事の後地だった。こんなありふれた場所にいるのに、と思いつつ、そういえば、昔よく遊んだりアリの巣を掘った空き地もいつの間にかなくなってしまった。今あるのは住宅地と奇麗に整備された公園だけである。 | |||
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