ヒメギフチョウ

ウスバサイシン

ウスバサイシン ウスバサイシンと卵 ヒメギフチョウ ヒメギフチョウ産卵
1 ヒメギフチョウ 2 ヒメギフチョウ 3 ヒメギフチョウ 4 ヒメギフチョウ
古い採集案内に、赤城山には少なからず見られ、ギフチョウに似て特殊であると書いてある。しかし、長い間、赤城山のヒメギフチョウは絶滅したと思われていた。再発見の話をいつ聞いたかは忘れてしまったが、いつかは行きたいと思っていた。昔の生息地から考えて、どの辺りにいるかは検討がついていたが、なかなか行く機会に恵まれなかった。

最初に行った時は、生憎の雨、それでも卵だけは確認できた。成虫を見たのは何年か後の事だった。昔は今の関越高速道路を通っているあたりにもいたものが、随分と山の上の方に追いやられてしまった感がある。最近は山の中腹も環境整備で間伐が行われたり、伐採されたりして、以前よりも環境が改善されている、それでも生息地は下に伸びる気配は無い。これはチョウの生態からして当然の事に思える。チョウには翅が生えていてとこにも飛んでゆける様であるが、実は生息地に固執している。羽化したチョウはそれが強い、そしてその中でパートナーを見つけて行く。後尾を済ませて暫くは付近の食草に産卵をする。そして、そのうちの何頭かは生息地を離れて行く。ヒメギフチョウは展葉してしまうと産卵しにくい、山の春は足早に過ぎて行く、山の下の方は既に展葉して産卵に適さない、上の方に行けば、産卵に適した新芽がまだある、そして上へ上へと生息を変えて行く。赤城山のヒメギフチョウは既に頂上付近まで到達してしまった。こうなってしまうと、中腹の環境を改善したり、食草をいくら増やしたところで、産卵できなければ生息を拡大できない。これを解決するには、人工飼育しかないと思っている。終齢幼虫を中腹あるいは下の産地に放す、チョウも食草も同じ産地のものであれば、芽吹に合わせて羽化できるはずである。本来は自然界の気候の変化でこれが起れは良いが、それには既に数は少なすぎると思う、また、ある程度保護されてしまっているので、保護されている場所と周りの場所の格差も気になる。ギフチョウもヒメギフチョウも人間の営みがあって、分布を拡大してきたはずである、保護をするのであれば、ただ採らないで見守るだけではなくて、もう少し踏み込んだ形にするべきだと思う。


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